福島原発事故損害賠償愛知弁護団は、福島原発事故により、主に愛知県内に避難している被災者が被った被害について、東京電力株式会社に対して適正な損害賠償を請求・実現することを目的とします。

団長挨拶

  • HOME »
  • 団長挨拶

 東京電力福島原発事故の被災者の方々に対し,法的な援助ができるように,平成23年10月20日,愛知県弁護士会の会員有志により,弁護団を結成しました。
 弁護団の名称は,「福島原発事故損害賠償 愛知弁護団」といいます。

 ご承知のように,平成23年3月11日の東日本大震災、特に津波により,福島原発が大損害を受け,東京電力の対策の不備等もあり,水素爆発を起こし,放射能汚染が一気に拡大しました。
福島第一原発を中心として、警戒区域内に居住していた方々に限らず,更にその周辺の多くの方々が,避難を余儀なくされました。しかも,福島原発事故は,いまだ収束したと評価することはできず、除染の目処も立たず,加えて地域社会の生活システムが崩壊してしまっており,避難されている方々が,いつになったら地元に帰ることができるか,見通しも立っておりません。
 その結果,住民の皆様,及び同地で事業を営んでいた個人や企業は,大変な被害を受け,また今後も損害が拡大することが予想されます。「原子力損害の賠償に関する法律」(原賠法)によれば,それらの損害は原子力事業者である東京電力によって,それができないときは国によって、適正に補償される必要があります。

 ところで,同年8月5日には,「原子力損害賠償紛争審査会」から「東京電力福島第一原発と福島第二原発事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」が公表され,また,これを受けて,東京電力は,「本補償に向けた取り組みについて」を公表し,その後いくつかの改善がなされましたが,未だ全体として十分な補償基準となっておりません。
 東電から送付された請求用紙等は,素人である被害者の皆さんが,これを理解し的確に記載することは極めて困難であると思われますし,また補償対象地域外から避難してきた方々が,補償を獲得することは現状の補償システムでは,ほとんど不可能です。

 私ども弁護団は,愛知県を中心とし中部地方に避難されている被災者の方々が,適正な補償を受けられるように,法律面から援助することを目的としております。具体的には,被災者の方々から法律相談を受け,これに基づき
(1)東電に対する補償請求手続きをすること
(2)原発ADRに対し申し立てをすること
(3)このような手続きで適正な補償が得られないと思われる被害者の方々については,訴訟提起をすること
について、弁護団として援助してゆきます。そして,具体的な損害賠償請求においては、上記補償基準を参考にするとしても、必ずしもこれに拘束されることなく、「原発事故と因果関係のある損害」が十分に補償されるように努力してゆきます。

 また、当地に避難されている被災者の方々は,いつ故郷へ帰ることができるかわからない中で,相互に連絡を取ることができず,当地で孤立して生活されているようです。私たち弁護団は,被災者の方々が少しでも未来に希望が持てるような活動、具体的には、ボランティア団体とも協力して、被災者の方々の交流集会等を開催したり、情報提供をしてゆきたいと考えています。
 私どもは,今後長くこの問題にかかわってゆくつもりです。被害者の方々は,お気軽に当弁護団にご連絡いただければ,幸いです。お役にたつことができると思いますので、よろしくお願いいたします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Copyright © 福島原発事故損害賠償愛知弁護団 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.